【教育コラム】2021新大学入試を振り返って

中日新聞『eisuCOO伊藤奈緒の教育コラム』2021/4/29掲載

初の大学入学共通テストにコロナ禍も相まって前例のない状況で行われた新大学入試。

結論から言うと、受験生の実力が情け容赦なく試された入試でした。コロナ禍で学習が遅れた人に配慮した入試になるかと思いきや、共通テストでは試行テストや模試の枠を超えた出題が見られたり、難関国公立大学二次試験は教科・科目によって難化したりするなど、特別な配慮や救済もなく、結局、前例のない事態に対応できる本物の学力を持った人が勝ち残った感があります。

3カ月間の休校期間中、学校に頼らず履修内容を修了した人や、大幅に前倒ししたカリキュラムがウリの名門私立中高一貫校の生徒が強かった!そもそも難関大学受験は、状況に左右されない本物の学力が問われる世界。

今年の入試はそれを鮮明にしたに過ぎません。周囲に同調し、与えられた課況では目立たなかった個人の実力差が、非常事態に直面して露呈してしまった…。厳しいですが、入試だけでなく社会全体でも同じことが言えます。
そんな今こそ、本質を見極めて行動しましょう。