【教育コラム】教育の可変と不変とは

中日新聞『eisuCOO伊藤奈緒の教育コラム』2021/5/27掲載

かつて日本は、製造業主導の少品種大量生産時代の波に乗り、世界の工場の役割を担うことで経済大国の地位を手に入れました。

その時代は、作業のオートメーション化に伴い画一的な仕事を正確にこなせる人材が求められ、よって教育においては大教室に大勢の子供たちを集め、同じ内容を一律に習得させるマスプロ教育が果的でした。
ところが、社会が成熟し、サービス業主体の多品種少量生童の時代を迎え、市場のニーズが細化・多様化すると、教育も個に最適化した内容をITをはじめとした多様な手法のハイブリッドで学ばせるものへとシフトしています。しかし、教育のスタイルが時代と共に変化する一方で、その本質は決して変わっていません。

それは教師と生徒の関係を経糸、生徒同士の関係を緯糸にした、と人とが互いに触発し成長を促しあう関係です。人を育てるのは人でしかない、これは教育の不変にして普遍の真理です。

教育の可と不変とを見極め、子供たちが持つ可能性を最大限に伸ばす教育を追求していきたいと思います。