【教育コラム】「森を見ながら木を見よ」

中日新聞『eisuCOO伊藤奈緒の教育コラム』2021/2/27掲載

公立高校入試もいよいよ本番。
この時期よく受ける相談は、どうしたら本番で高いパフォーマンスを発揮できるか?ですが、そんなとき私は「森を見ながら木を見よ」とお答えしています。

「木を見て森を見ず」、つまり小さいこと=「木」に気を取られ、全体や大局=「森」をとらえそこねるという言葉はよく使われますが、入試において大切なのは、まず「森」を見ることです。将来を大局的に見ることができれば、目先の問題を過大視することがなくなり、過度なプレッシャーを感じにくくなります。そうなれば、入試本番という非日常的な雰囲気がかえって適度な緊張感を与え、高いパフォーマンスが生まれやすくなるのです。

ただし、そのためには事前の努力の蓄積が必須。脳科学の見地から見ても、受験直前期は「自ら求め、自ら考え、自ら必死に努力する」ことで、その取り組みの成果が何十倍にもなるというエビデンスがあります。

受験生の皆さん、勝負はこれからです。「森」を見ながら、最後まであきらめることなく、本番ギリギリまで一生懸命勉強してください。