【教育コラム】1.母国語リテラシー磨いて

読売新聞(三重版・愛知版)掲載「伊藤奈緒の受験ABC」2021年4月1日

こんにちは、学習塾・予備校eisu(鈴鹿英数学院)の伊藤です。お子様の教育や受験に深い関心をお持ちの方のお役に立てるよう、この紙面をお借りして、いろいろな角度からお話しさせていただきます!

 さて、今年は初の大学入学共通テストが実施されました。特筆すべきは、全教科・科目で情報量がものすごく増えているということです。近年のセンター試験と比べると1・2~1・3倍程度ですが、保護者の方が受験生だった1990年代と比較すると、例えば数学IAの文字量は約8倍、英語リーディングの単語数は約2倍になるなど、高得点をとるには文理問わず速く正確な情報処理能力が要求されます。そもそも、教科書・参考書・講義などは母国語(日本語)がベースですから、母国語を読み解く能力(リテラシー)がなければ、高度な学習成果を得られるはずがありません。

 まして大学進学後はなおさらです。十分な学力も明確な目標もないまま、とりあえず大学に進学してしまうと、講義についていけない、専門書が読めない、レポートが書けない…ということになりかねません。実際、近年は大学の中退率や留年率が高くなっています。

 さらに社会人になれば、現代の情報過剰社会において頭脳労働やテレワークなどで労働の生産性を高めるには、高度な日本語4技能(「読む」「書く」「聴く」「話す」)、つまり母国語リテラシーが必要なことは言うまでもありません。グローバル化が進む今こそ母国語に目を向け、母国語リテラシーを磨く教育を大切にしていきたいですね。(毎月第1木曜日に掲載)