【教育コラム】受験は「人的資本」を高める最高の機会

中日新聞『eisuCOO伊藤奈緒の教育コラム』2021/1/28掲載

コロナ禍が甚大な影響を及ぼす中、新大学入試元年の「大学入学共通テスト」が実施されました。

従来のセンター試験と比べて難化したうえ、二次・個別試験も不透明感がここに来て一層強まり、大学受験生にとって厳しい日々が続いています。しかし、それは社会全体にとっても同様です。苦難な時こそ高い人的資本が必要で、それは古今東西、不変にして普遍の真理なのです。

人的資本とは、知識・教養・スキルなど、人間が持つ価値を生み出す能力のことで、経済学ではこれを国富の根本と考えます。ノーベル経済学賞を受賞したG・ベッカー氏は、現代を「人的資本の時代」と評し、人間が教育を通じて身につけた人的資本は、金融資産などと異なり、経済危機にあっても価値が失われることはないとし、そこから人的資本を高める努力、つまり教育の重要性を説きました。だとすると、受験とは、人的変本を高める最高の機会です。

受験生の皆さんは、現在のような試練は当然だというくらいの気概を持ち、高い志を持ってご自分の目標に挑んでください。応援しています!