【教育コラム】7,VUCA時代こそ努力を

 私は今秋9月より今に至るまで、小・中・高の様々な子供たちを対象に50回を超えるオンラインセミナーを続けていますが、どの層の子供たちを見ても、今のVUCA(ブーカ)時代を象徴していると共通して感じられることがあります。それは、「将来やりたいことがまだ見つかってない」子供たちがほとんどだということです。

 VUCA(ブーカ)とは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を並べたもので、将来の見通しが極めて不透明になった社会情勢を意味しています。

 変化が緩やかで先の見通しが立ちやすい時代は、「将来こうなりたい」というビジョンを描き、それに向けて努力することができましたが、今の子供たちは、そんなビジョンを描くこと自体が難しく、こうすれば必ずうまくいくといった正解もない時代に生きているわけですから、将来やりたいことが容易に見つからないのは当然のことなのです。

 しかしそんな時代にあっても、明確なゴールを決め、そこから逆算して正しく努力すれば結果が必ず返ってくるものがあります。それは受験です。ほとんどの子供にとって、受験は努力することを学ぶのに最適な機会です。自分の努力で目標を達成することの面白さや喜びがリアルに味わうことが出来るのです。私は子供たちに、努力することの大切さを肌で感じ取ってもらいたいし、VUCA時代にそのことを体験せずに社会に飛び込んでいくことは、とても危険で恐ろしいことだと思っています。

 まず受験を通して努力することの意味を理解し、自分に自信を持ってから時代に挑んでほしい。それが、今の子供たちに伝えたい、私の教育者としての思いです。